
みなさんこんにちは!
株式会社Flapjackの更新担当の中西です!
さて今日は
flapjackのよもやま話~チェック項目~
ということで、舞台設営業者が現場に入る前に必ず確認すべき図面のチェック項目と、特に注意すべきポイントを深掘りしてご紹介します。
舞台設営の現場では、図面が「すべての始まり」です。しかし、図面通りに進めたはずなのに「道具が収まらない」「吊物が干渉する」「導線が足りない」といったトラブルが後を絶ちません。原因の多くは、図面確認の不備や図面間の不整合です。
舞台図面は、演出家・美術・照明・音響・舞台技術スタッフが情報を共有する「共通言語」です。チェックが不十分だと
セットが搬入経路を通らない
機材の干渉による設置不能
観客席視界不良
安全基準未達(消防法違反等)
など、演出・作業・安全の全てに影響が出ます。
項目 | 内容 | 注意点 |
---|---|---|
舞台平面図 | セット・客席・導線配置 | 客席通路幅・手押し台車の動線 |
舞台立面図 | 吊物・背景・照明バトン位置 | 吊物の高さ・干渉の可能性 |
観客席図 | 席配置・視界ライン | 照明・音響機材の死角リスク |
搬入導線図 | 搬入口→舞台経路 | 機材サイズに対する曲がり角・段差の有無 |
吊物配置図 | 吊バトン・昇降装置配置 | 動作範囲・耐荷重・吊元位置の正確さ |
電源図 | 電源容量・分電情報 | 回路数・熱源配置・誤接続リスク |
平面図と立面図で寸法が異なる
配置されている吊物が詳細図では抜けている
バトン番号や回路番号の食い違い
→ 異なる部署が作成した図面間のクロスチェックが必須
セットが照明バトンに干渉する高さに達していないか
機材設置が非常口・通路を塞いでいないか
客席後列から見えないゾーンが発生していないか
→ 断面図での確認と、現地寸法との照合が必要
大道具がエレベーター・通路に入らない
解体しないと通らないが、解体図面が未提出
台車移動中に床材を傷つける可能性がある
→ 搬入図と分解図を照合し、現場ルートと合致しているか確認
一系統に照明・音響・映像が集中してブレーカーが落ちる
電源位置が遠く延長ケーブルが多用される構成
→ 機材消費電力と回路容量を現場図面と付き合わせて精査
図面確認のプロセスとは、施工当日を頭の中で何度もシミュレーションする作業です。
「この機材はここから入るか?」
「この吊り物は本番中に昇降して干渉しないか?」
「非常時の導線は機能するか?」
現場に“入ってから考える”では遅く、図面上で事前に潰せるリスクは潰すのがプロの現場力です。
A3サイズの現場チェックリスト付き図面を班長に配布
図面上に危険エリア・動線・搬入口などを色分け
当日朝のミーティングで図面と現物の照合を徹底
図面確認は「紙の中の話」ではなく、実際に人と物を動かす行動の起点です。
舞台設営業者にとって、図面チェックは単なる作業ではありません。それは、演出を形にし、事故を防ぎ、すべてのスタッフが安心して働ける空間を築くための最初にして最重要の責任です。
“読む”図面ではなく、“動かせる”図面を。 それがプロフェッショナルの証です。
私たちflapjackでは自社の資材を使い丁寧に設営等を行っています!
そして、一緒に縁の下の力持ちになってくれる仲間を募集しています!
お問い合わせはお気軽に♪
みなさんこんにちは!
株式会社Flapjackの更新担当の中西です!
さて今日は
flapjackのよもやま話~図面の書き出し~
ということで、舞台設営業者が行う「図面の書き出し」がなぜ重要なのか、どのようなリスクを防ぎ、どのように舞台空間の完成度を高めるのかを深掘りします
舞台やイベント会場の設営において、「図面」は演出家・美術・技術・施工スタッフをつなぐ共通言語です。そして、その図面を“現場で実際に使える形”に整理し直す作業、つまり「図面の書き出し」が設営の成否を左右する要となります。
舞台図面の「書き出し」とは、元となる設計図・演出プランを元に、実際の施工・仕込み・撤去の作業へ落とし込むための変換作業を指します。
美術図面 → 設営用平面図・立面図に再構成
観客席配置図 → 安全動線・避難通路を考慮した作業図面へ
吊り物配置図 → 吊元の高さ・間隔を記した「バトン図」や「吊物表」へ
電源計画 → 実際の回路図・配線計画図として展開
つまり、現場の手が動く図面へと翻訳する工程が「書き出し」です。
寸法・高さ・重心・干渉などを明確に記すことで、現場での迷い・やり直しを削減できます。
吊物・仮設足場・階段・照明機材の設置位置を正確に示すことで、転倒・接触・落下などの事故リスクを軽減します。
音響・照明・美術・舞台・電源のチームが同じ図面を見て同じ空間を共有することが、作業効率と品質向上に直結します。
項目 | 書き出し図面の例 | 注意点 |
---|---|---|
舞台平面 | セット配置図・導線図 | 動線確保・手押し台車の通路幅 |
照明設備 | ライン図・吊物表 | 支障物との干渉・配線経路の明確化 |
音響設備 | スピーカー配置図 | 客席エリアと反響との整合性 |
電源系統 | 電源系統図・コンセント一覧 | 電源容量・ブレーカー配置 |
安全設備 | 避難ルート図・防火扉記載図 | 消防計画との整合性 |
【照明】吊元の誤り → 機材が客席に干渉・演出効果不発
【音響】配置ミス → 反響過多・ハウリング発生
【構造】舞台高さ誤差 → 道具がはまらず開演に支障
【搬入導線】未確認 → 大道具が通路に収まらない・運搬不能
こうした問題は、「書き出し図面」がなければ発見できないまま施工が進行し、本番直前に重大な支障が発生する原因となります。
A1サイズの作業用清書図面を各部門に配布
カラー分けで各セクションの領域を明確化(例:音響=青、照明=橙)
Google Drive等で最新版のPDF図面を共有管理
「吊物番号」「照明回路番号」などを統一ルールで記載
現場での「書き出し図面」は、見やすく・分かりやすく・整合性があることが最優先です。
図面の書き出しは、舞台設営の品質・安全性・作業効率を左右するプロの技術と配慮が集約された作業です。原図が素晴らしくても、それを現場で具現化できなければ舞台は完成しません。
だからこそ、「見える図面」から「動ける図面」への書き出しこそが、現場をつなぎ、本番を支える“裏の主役”なのです。
私たちflapjackでは自社の資材を使い丁寧に設営等を行っています!
そして、一緒に縁の下の力持ちになってくれる仲間を募集しています!
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